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銀河系の中心部に数千個のブラックホール?
銀河系の中心部の狭い領域に、恒星程度の質量のブラックホールを含んだ連星が12あることがX線観測で分かった。これは、この領域内に未発見のブラックホールが数千個あることを示唆し、銀河系の中心部にはブラックホールが集まっているはずだという恒星系力学の予測を支持する。
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協力を支えるのは単純な道徳律である
協力の進化は、頻繁に議論されているテーマだ。人々の行動が互いの評判によって左右されるモデルを評価した研究から、協力の進化を促進するには単純な道徳的規則で事足りることが示された。
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機械学習で脳腫瘍を分類
脳腫瘍は腫瘍細胞の視覚的評価で分類されることが多いが、そのような診断法では観察者によって異なった結果が出ることがある。機械学習によって分子パターンを特定する方法で、がんの診断が改善されるかもしれない。
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ダイヤモンドで実現した室温連続放射メーザー
レーザーのマイクロ波版であるメーザーは、動作する環境が特殊であるか、通常の環境で動作するものは連続的に放射を出せないために用途が限られていた。今回、ダイヤモンドを使い、室温で連続放射するメーザーが開発された。
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圧力で誘起される化学反応
圧縮すると酸化還元反応を起こす分子が作製され、数々の実験と第一原理計算から、機械的な力で誘起される反応機構に関して待ち望まれていた原子レベルの知見が得られた。
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再生能力の秘密を長文で読み解く
扁形動物プラナリアと、メキシコサンショウウオのゲノム塩基配列が解読、再構成された。これらの情報から、これらの2種の生物の驚くべき再生特性に関する知見が得られるだろう。
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脈動オーロラの原因を解明
「脈動オーロラ」は、地球大気中で発生する見事な光のショーだが、この現象は宇宙空間で起こっているプロセスに直接関係している。数十年に及ぶ研究の末、今回、脈動オーロラを作り出す一連の現象全体が観測され、その仕組みが詳細に確認された。
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うつ病の下地「バースト発火」が起こる仕組み
脳の外側手綱核のニューロンが一斉に連続発火する「バースト発火」は、近隣のアストロサイトによって調節されることが突き止められた。この研究は、ケタミンの抗うつ作用の機序についても理解をもたらし、次世代抗うつ剤開発の助けになる可能性がある。
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2D半導体の横方向ヘテロ接合をワンポットで
原子レベルの薄さのシート状半導体を横方向に接合する簡便な方法が開発された。この方法は1つの反応器内で完結し、ガス環境を切り替えるだけで構造が制御可能で、多接合の横方向ヘテロ構造体も容易に作製できる。
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最も遠いクエーサーを発見
クエーサーは、宇宙で最も明るい連続的な放射源だ。今回、これまでに見つかった中で最も遠いクエーサーが発見され、その測定から、初期宇宙の進化と構造を知る手掛かりが得られた。
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難聴を防ぐ遺伝子編集技術への頌歌
聴力低下を引き起こす遺伝子変異を遺伝子編集で無効化する手法により、遺伝性難聴を防ぎ得ることがマウスで実証された。この技術は、ヒト難聴のうちのいくつかについて、治療の可能性を開くことになるだろうか。
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大気の微量成分からエネルギーを得る南極の微生物
低温で栄養素に乏しい南極の土壌に棲む微生物群集が、光合成ではなく微量ガスの酸化からエネルギーを獲得していることが、先進的なゲノム解析手法によって示唆された。
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記憶T細胞の起源
以前に遭遇したことのある病原体から体を防御する「記憶T細胞」。この細胞の起源について論争が続いていたが、このほど、DNA修飾を長期間追跡した2つの研究によって、エフェクターT細胞から生じることが明らかになった。
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大きさも量も大規模化したDNA自己集合
DNAは、自己集合によって目的の形状の物体を形成するよう設計することができる。しかし、形成できる物体のサイズと量は限られており、そのコストも高かった。今回、この問題を克服する方法が見いだされた。
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T細胞は腫瘍細胞をどのように見つけ出すのか
免疫療法は、T細胞を再活性化して、腫瘍細胞を破壊する。このほど、腫瘍とT細胞の相互作用をモデル化することにより、特定の腫瘍細胞がT細胞の標的になる理由が示唆され、免疫療法の転帰の予測が改善された。
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よみがえる謎の超新星
当初はありふれた超新星爆発のように見えた事象が、その発見後600日以上も輝き続けた。この事象の特性は、現在の標準的な理論モデルでは説明できない。
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トランスジェニック幹細胞で皮膚を再建
不治の遺伝性皮膚疾患の患者に対し、遺伝子操作した幹細胞を用いた治療が実施された。その結果から、こうした細胞で皮膚をほぼ全て置き換える方法の有効性、実行可能性、安全性が実証された。
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ハチを誘引するために花が編み出した「青色光の輪」の正体
さまざまな花の花弁にナノ構造の反復的なパターンがあり、そこには種を超えて同程度の不規則性が認められることが分かった。さらに、この「一定の不規則性」は、散乱光との作用で青色光の輪を生み出し、ハチを引き寄せる目印となっているようだ。
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衛星を使った量子鍵配送と量子テレポーテーションに成功
量子通信は、古典的な通信方法に対して多くの利点を持つが、信号の伝送距離はこれまで数百kmが限界だった。今回、中国の2つの研究が人工衛星を使ってこの限界を破り、地球規模の量子通信ネットワークの実現に近づいた。
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次世代の細胞運命を決める記憶
娘細胞が増殖するか静止状態になるかは、母細胞から受け継いだ2つの分子で決まることが、生細胞イメージングで明らかになった。今回の知見によって、新しく生じた娘細胞の振る舞いが、その母細胞の状態によって決められる仕組みについての洞察がもたらされた。