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魚が流れを感じて危害を避ける仕組み
魚は、体の側面にある毛状のセンサーで水の運動を感知していると考えられている。魚がセンサーの情報からどのようにして水の流れの状況を把握し、流れに対する応答を決めているのかが、実験と計算機シミュレーションで明らかになった。
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T細胞の標的認識パターンを予測
T細胞受容体(TCR)は、通常は体内に存在しないペプチド分子に結合して免疫応答を開始できる。TCRが結合するペプチドを予測することは難しいとされてきたが、今回、TCRの標的抗原の予測に向けた筋道が見えてきた。
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1つのリングで90個のレーザーを代替
光ファイバーを使う高速通信システムは、通信容量を上げるために同時に数百個のレーザー光源を使っている。これらの多数のレーザー光源を、1つの環状の光素子で置き換えることができる方法が開発された。
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揺れ動くイオン輸送酵素
ATPアーゼと呼ばれる膜貫通酵素が複雑な運動をすることは、これまでの結晶構造から分かっていた。このたび、この酵素の分子全体が膜の中でロッキングチェアーのように揺れ動くことが明らかになった。
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RNA反復配列は細胞を固めてしまう
細胞核にできる小滴様のRNA凝集塊は、特定の神経変性疾患に関連している。実験の結果、こうした凝集塊が細胞の中で「固まった」ゲルになることが分かった。RNA凝集塊が毒性を持つ原因をこれで説明できるかもしれない。
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クエーサーは大質量銀河の目印
クエーサーと呼ばれる非常に明るい天体の近傍の調査は、初期宇宙ではこれまで不十分だった。アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)を使って行われた観測で、初期宇宙のクエーサーの周辺には、初期宇宙で最も大質量の銀河たちの一部が存在していることが分かった。
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がん再発を早期探知できる液体生検
肺腫瘍の進化に関するゲノム情報が血液から得られることが実証され、がん再発の初期兆候の臨床モニタリングが可能なことが報告された。プレシジョン(高精度)医療への有望な一歩だ。
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蚊が飛べる理由を解明
蚊はその細長い羽を、同程度の大きさの昆虫の4倍の振動数で羽ばたいている一方で、羽ばたきの振幅はごく小さい。蚊の飛行の高速度撮影とコンピューター計算による分析から、蚊は、他の動物の飛行でこれまで見つかっていなかった独自の空気力学メカニズムで飛んでいることが分かった。
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1つのタンパク質で2つの神経変性疾患を治療
アタキシン2(ataxin 2)タンパク質の生成を抑制する分子によって2つの神経変性疾患の症状を改善できることがマウスモデルで示された。臨床試験におけるこのアプローチの成功に大きな期待がかけられている。
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子育て行動の遺伝学的基盤
ハイイロシロアシマウスとシカシロアシマウスの子育て行動は異なっており、その違いは父親で極めて顕著に見られる。両者の種差の遺伝学的解析から、基盤となる神経学的な機構の一端が明らかになった。
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シルクロード出現の謎がデジタル地図で明らかに
シルクロードなどの遠距離交易ネットワークの形成に、その周囲の地形と人間社会との関係はどのような影響を及ぼしたのだろうか。このほど、デジタルマッピングとコンピューターモデリングから新たな知見がもたらされた。
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「時間結晶」を初めて実現
結晶は空間の中で同じ構造が繰り返される物質状態であり、それが自発的に生成する。一方、物理量が時間とともに周期的に振動し続ける自発的な物質状態を「時間結晶」という。時間結晶は仮説上の存在だったが、今回、2つの研究グループがある種の時間結晶を初めて作り出したと報告した。
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脳内の地図に表された音の「景観」
動物の脳内では、一部のニューロン集団が特定の地理上の位置で発火して、空間の中の自分の位置を示す神経系上の地図を作り出す。この回路が聴覚地図の基礎にもなり得るという知見は、認知を生み出すニューロン構造の解明に役立つだろう。
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AIによるがん診断支援が現実味を帯びてきた
皮膚がんを画像解析だけで判定できるようコンピューターを訓練したところ、一部の皮膚がんについては皮膚がん専門医と同程度の精度で識別できた。これは医学的診断の未来にどのような意味を持つのだろうか?
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異種動物の体内で作製された膵臓で糖尿病を治療する
ラットの体内で成長させたマウスの膵臓を、1型糖尿病モデルマウスに移植すると、血糖値が制御された。また、拒絶反応は短期間の免疫抑制剤投与だけで回避できた。この成果から、治療用に臓器を成長させる興味深い方法が垣間見えてきた。
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造血幹細胞の維持にはバリンが必須
血球の供給源である造血幹細胞は、必須アミノ酸の一種「バリン」に依存していることが明らかになった。マウスにバリンを含まない食餌を与えると、骨髄移植の前処置に類似した効果が得られ、移植が成立したのだ。この手法を使えば、骨髄移植に伴う毒性を低減できる可能性がある。
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地球の材料
地球は、隕石が集積(落下付着)することによって成長した。この「地球の材料」がどのようなもので、それが地球形成が進むにつれてどう変化したかが、同位体の高精度測定から明らかになった。これまでの地球形成モデルを修正する必要がありそうだ。
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目的細胞の局在と子孫関係を同時に追跡可能な分子
細胞のDNAに埋め込まれたバーコード配列にランダムな改変を導入する方法によって、細胞の空間的な関係を保持したまま、細胞の子孫関係を見分けることが可能になった。著者らはこの技術をMEMOIR(メモワール)と名付けた。
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神経の同調を回復させてアルツハイマー病を治療
アルツハイマー病では、神経回路の活動で生じる電気的振動に障害が現れる。マウスモデル でこれらの振動を回復させると、免疫細胞が活性化して、アルツハイマー病に関連するアミロイドβタンパク質が脳から除去されることが示された。