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  • 治療法改善のための最善の戦略とは

    うつ病の研究には、抑うつ様行動を示す従来からのマウスモデルがよく使われているが、ヒトのうつ病の全体像を従来のマウスモデルで完全に把握することは不可能である。このフォーラムでは、治療法の改善を目指した戦略について、専門家たちが提案する2通りの見解を紹介する。

    2015年2月号

  • 解明が進むがん免疫療法

    PD-1経路の遮断により抗腫瘍免疫を回復させる免疫療法は臨床で目覚ましい成果を挙げているが、作用機序には不明な点が多い。今回、この治療法に対して特に反応性の高い患者の特徴や、この治療法が有効ながん種が新たに明らかになった。さらに、この治療法の標的が腫瘍の新抗原であることを裏付ける結果も得られた。

    2015年2月号

  • 加速器研究にやってきた最高の波

    「プラズマ・アフターバーナー」と呼ばれる、わずか30cm長の小型加速器を使って、従来の巨大な加速器の500倍の効率で電子を加速することができた。この研究結果は、低コストの加速器の開発につながる可能性がある。

    2015年2月号

  • 繊維芽細胞の可塑性が心臓の修復を助ける

    心臓繊維芽細胞は損傷を受けた心臓構造の修復に重要な役割を果たすことが知られている。さらに今回、心臓の繊維芽細胞には内皮細胞へと転換できる可塑性があり、心臓が損傷を受けた後にp53依存的に転換が誘導されて、傷害血管の修復を助けることが明らかになった。

    2015年1月号

  • 重症エボラウイルス感染症のサルを回復させた治療薬

    3種類のモノクローナル抗体を混合した治療薬「ZMapp」で、致死量のエボラウイルスを接種したサルは全て回復した。ZMappは、感染後の治療に用いられたことのある他の薬とは異なり、エボラウイルス感染症が進行した段階にあっても治療効果を発揮した。

    2015年1月号

  • スタチンは骨の成長を促す

    軟骨形成と骨成長の異常によって起こる低身長症について、iPS細胞モデルが構築された。研究チームはさらに、高コレステロール血症治療薬であるスタチンが軟骨形成と骨成長を促進する可能性があることをこのモデルを用いて明らかにした。

    2014年12月号

  • 海王星サイズの太陽系外惑星に水を発見

    海王星ほどの大きさの太陽系外惑星の大気にも水(水蒸気)が存在することを示す決定的証拠が、初めて得られた。さらに小さい、地球ほどの大きさで水が存在する惑星の探索への扉が開かれた。

    2014年12月号

  • 歯の構造の進化をin vitroで再現

    モルフォゲンであるEDAタンパク質を欠損したマウスには、正常な構造の歯が生えない。EDA欠損マウスの胎生期の歯にEDAを加えて培養すると、EDAの量に応じて、歯は進化の過程をたどり、マウス本来の構造に戻ることが示された。

    2014年11月号

  • 狙いどおりのナノチューブに成長する「種」

    1種類の単層カーボンナノチューブ(SWCNT)のみを選択的に合成できる技術が開発された。この方法を利用すれば、あらゆる種類のナノチューブを純粋な形で得られるようになるかもしれない。

    2014年11月号

  • インターフェロンは両刃の剣

    サルでの研究から、インターフェロンの作用には二面性があり、感染の防止に働く場合と、慢性感染の状態を悪化させる場合があることが明らかになった。

    2014年10月号

  • 超弾性有機結晶

    相転移を伴う弾性の一種「超弾性」が、純粋な有機結晶で初めて観察された。この超弾性有機材料はマイクロ流体デバイスなどへの応用が期待される。

    2014年10月号

  • 耐性菌の抗生物質耐性を無効化する天然物

    カルバペネム系抗生物質は現在、重篤な感染症に対する最後の砦であるが、耐性菌の急増が世界的な公衆衛生問題になっている。今回、真菌の一種が産生する天然化合物が、カルバペネム系抗生物質耐性細菌の、カルバペネム耐性を無効化させることが分かった。

    2014年9月号

  • ダイヤモンドをもっと硬く

    ダイヤモンド含有複合材料は世界で最も硬い材料の1つだが、極端な条件で使用すればやはり破損する。「タマネギ状」のカーボン前駆体から作製したナノ構造化ダイヤモンドなら、この問題を克服できるかもしれない。

    2014年9月号

  • ゾウリムシの「接合型継承の謎」を解明

    原生生物であるヨツヒメゾウリムシは、接合後も子が親の接合型を常に維持している。この遺伝の仕組みは、ゲノムに外来DNA塩基配列が入り込まないように、RNA誘導型のDNA削除経路が働いてゲノムを守っている結果であることが明らかになった。

    2014年8月号

  • 血液脳関門を通過できる2つのルート

    血液脳関門では、脳への脂質の輸送と、トランスサイトーシスによる分子の輸送が行われているが、この2つの過程がどちらもMfsd2aという1つのタンパク質によって調節されていることが明らかになった。

    2014年8月号

  • Y染色体の進化学

    Y染色体は、進化の初期に多数の遺伝子が喪失したものの、現存生物種のY染色体に残っている遺伝子は極めて安定していることが、さまざまな哺乳動物のY染色体塩基配列の比較から明らかになった。

    2014年7月号

  • 小惑星表面でのレゴリス形成

    小惑星の表面にある岩石もまた、年月の経過とともに風化によって崩壊し、やがては粉末状の破片へと変わっていく。この風化現象はこれまで、大小さまざまな流星体の衝突が原因だと考えられていたが、今回、室内実験とシミュレーションモデルを組み合わせた研究から、少なくとも小型の小惑星では、昼夜の温度変化が主な原因であることが分かった。

    2014年7月号

  • 高齢者の脳を保護する因子

    RESTと呼ばれるタンパク質が、加齢脳でのニューロンの細胞死の抑制と、高齢者の認知能力の維持に中心的な役割を果たしていることが明らかになった。

    2014年6月号

  • マントルダイナミクスの謎を解くカギを発見

    地球の上部マントルに最も多く含まれる鉱物であるカンラン石中に、回位(ディスクリネーション)と呼ばれる、結晶格子の欠陥が見つかった。これにより、数十年にわたって鉱物物理学者を悩ませてきた問題が解決されるかもしれない。

    2014年6月号

  • 遺伝子の調節で老いた筋肉を若返らせる

    筋肉の再生を担う幹細胞は、高齢になると、可逆的静止状態から不可逆的老化状態へと切り替わる。今回、老化を推進する遺伝子を調節すると、筋幹細胞の再生能が回復することが明らかになった。

    2014年5月号