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土星の環から大気に雨が降っている
土星の大気には、その環の姿が投影されていることがわかった。土星大気中のイオンの発光の分布を観測したところ、土星の環のすき間に対応するパターンが見つかったのだ。水の氷でできた環から、電荷を帯びた氷が磁力線に沿って大気上層へと運ばれているためらしい。
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結晶化せずに分子構造を決定する「結晶スポンジ法」
「結晶スポンジ」と呼ばれる材料を使うと、小さな分子を規則正しく配列させることができ、サンプルを結晶化することなくX 線結晶構造解析法で分子構造を解明できることが実証された。しかも、この新しい解析法なら、サンプルもナノグラムオーダーの微量化合物で済むという。
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“最も近い銀河”までの正確な距離
銀河系(天の川銀河)のすぐ隣にある銀河、大マゼラン雲への距離を正確に測定すれば、宇宙に満ちているダークエネルギー(暗黒エネルギー)の正体に迫る足がかりになる。今回、食連星を使う方法で誤差2.2%の値が得られた。
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塩味を感知するセンサー分子
ヒトでは聴覚に関連するとされているTMC-1というタンパク質が、線虫では塩味の感知にかかわる受容体であることが示された。
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超新星爆発直前の質量放出をとらえた
質量の大きな恒星が超新星爆発を起こして死ぬとき、それは非常に明るく、「宇宙の果て」からでも見ることができる。しかし、元の星がどのようなものだったかは、はっきりしないことが多い。今回、大質量星の超新星爆発の直前に起こった質量放出現象が観測され、星の生涯について知る新たな手がかりが得られた。
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インスリンとその受容体の結合
インスリンは糖尿病治療に広く使われているが、そもそも、インスリンが細胞表面にある受容体と結合するメカニズムは、不明のままであった。今回、この複合体の結晶構造解析にようやく成功し、ついに答えが得られた。
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アンドロメダ銀河で見つかった不思議な平面
アンドロメダ銀河とその周囲の伴銀河(衛星銀河)を詳しく調べた結果、伴銀河が1つの大きな薄い平面上に乗っていて、アンドロメダ銀河の周りを同じ方向に回っていることが明らかになった。
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熱アシストによる高変換効率の有機発光材料
蛍光性有機分子の設計によって、高効率発光ダイオードの作製が可能になった。このデバイスは、従来品のライバルになるかもしれない。
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脱アセチル化による細胞死
壊死はさまざまな疾患に関連して見られるが、プログラム細胞死の中で、おそらくは最も解明が進んでいないものだ。今回、サーチュインというタンパク質が、脱アセチル化反応を介して壊死の一部を調節していることが明らかになった。
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恒星進化における「真の原始星」を発見
恒星として誕生するわずかに前の段階にある「真の原始星」が、ついに発見された。巨大分子雲が重力収縮して完全に成熟した恒星になる過程には、これまでミッシング・リンク(失われた環)があった。今回の発見は、それをつなぐものとなるだろう。
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ゲルのシートを貼ると、トランジスタ
イオン液体と高分子を混ぜ合わせると、ゴム状のイオンゲル材料ができる。このゲルシートをカミソリで切って固体の半導体材料に貼り付け、トランジスタが作られた。
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哺乳類トゲマウスに見られる皮膚の剥落および再生能力
アフリカトゲネズミは、手でつかんだだけで背中の皮膚が60%も剥がれてしまう。そしてこの剥がれた皮膚は、その後きれいに治癒する。今回、この驚異的な剥落能力と治癒能力を分析することで、組織再生の分子的・生体工学的機構の一端が明らかになった。
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自発的流動によって動き回る液滴
生体の特性を示す生体物質の集合体が生体外で構築された。これにより、細胞内で起こる動的な再組織化の物理的側面が明らかになるかもしれない。
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約120億年前の最も遠い超新星を発見
地球から非常に遠い距離にある2つの「超光度超新星」が発見された。この超新星は、ビッグバンからわずか15億年後に誕生したものだ。 約120億年前の幼年期の宇宙には、こうした「超光度超新星」はありふれた存在だったのかもしれない。
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進化の空白を埋める昆虫化石
デボン紀の完全な昆虫化石と思われる化石が発見された。これにより、有翅昆虫がいつ進化したのかについて、断片的だったさまざまな知識や情報が有機的につながるかもしれない。
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ついに実現した固体メーザーの室温発振
メーザー(レーザーのマイクロ波版)の技術展開がこれまで限られてきたのは、極低温が必要であるなど、動作条件が実用にそぐわないからであった。しかし今回、ついに室温で動作する固体メーザーが開発された。
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球状星団は、ブラックホールがいっぱい!?
天の川銀河の1つの球状星団の中から、これまでの常識に反して、2つのブラックホール候補天体が発見された。この新事実は、球状星団にはもっとたくさんのブラックホールが含まれている可能性を示している。
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胎児を拒絶しない免疫機構
妊娠した女性の免疫系が、胎児の持つ父親由来の抗原に対して寛容となる仕組みに、「抑制性」の免疫細胞がかかわっていることが実証された。 胎児抗原に特異的に反応して増殖するこの細胞は、出産後も一部が維持されていて、2回目以降の妊娠を助けていた。
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トウモロコシ粉懸濁液の上を走れる理由
トウモロコシ粉と水を混ぜた液には粘性があり、それでプールを満たすと、忍者のようにその上を走ることができる。ところが立ち止まると沈んでしまう。この現象はどのような原理で起こるのか、今回、新たな実験に基づく考え方が提案された。
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電圧で、絶縁体を金属に変える!
印加電圧を変えるだけで、絶縁体を金属に変える方法と材料が発見された。これを利用すれば、これまでなかった新世代の電子スイッチを実現できるかもしれない。