アーカイブ検索
キーワード
セクション
-
腸内細菌が運動意欲を促進する
腸内細菌が感覚ニューロンを活性化する分子を産生し、運動に関連した脳内の報酬系の神経回路を刺激することが、マウスで発見された。この新しい経路は、長時間の運動に対する意欲に影響を与える。
-
細胞移動をコーディネートするのは「uncoordinated」タンパク質
細胞移動への関与がこれまで知られていなかったUnc5受容体とグリピカン3の複合体の特徴が明らかになり、その機能から、発生中のニューロンと転移性のがん細胞は類似した機構で移動するという考えが裏付けられた。
-
ペストの大流行による急速な自然選択
中世を生きた人々のDNAの分析から、14世紀の腺ペストパンデミックによる急速な自然選択を受けた人は生き残った一方で、その子孫は自己免疫疾患のリスクが上昇した可能性があることが明らかになった。
-
全身性エリテマトーデスを治療するCAR-T細胞療法
免疫系のT細胞に遺伝学的改変を加えて特定の細胞を攻撃させるCAR-T細胞療法で、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療を目的とするものが開発された。作製されたCAR-T細胞を患者に注入すると、臨床的および免疫学的な改善が見られた。
-
膜タンパク質の組み立てに思いがけない事実
膜貫通型タンパク質は細胞において多くの重要な役割を担っている。今回、複数回膜貫通型タンパク質が動物細胞の膜に挿入される過程について新たな知見が得られ、これまでの認識に疑問が投げ掛けられた。
-
氷河後退による火山活動で起こった海の貧酸素化
太平洋北東部でかつて数千年間続いた、溶存酸素に乏しい水域の原因が、アラスカ湾の海底の過去2万年間の堆積物記録から示唆された。北米にあった氷河が解けて火山活動を引き起こし、海水中の酸素が失われたとみられる。
-
-
生態系の新たなカタログ
地球の生態系に関して、生物種の分類に用いられているリンネ式の階層的な体系とよく似た、決定的な分類法が開発された。多大な努力によって得られたこの成果は、今後数十年にわたって保全活動の土台となる可能性がある。
-
謎めいた微生物DNAエレメント「ボーグ」の発見
微生物は、遺伝情報の一部を染色体以外のエレメントに保存している。そうしたエレメントに思いもよらないタイプのものが見つかり、その多様性と潜在的役割に関する考え方に変化が起こっている。
-
光触媒粒子の電荷移動が明らかに
クリーンエネルギーである水素を生成する方法として、光触媒を用いた水の分解反応が注目されている。今回、単一の光触媒粒子中の電荷の動きが時空間的に極めて詳細に観測され、光触媒反応の機構の理解が進むとともに、優れた光触媒の開発につながると期待される。
-
SARS-CoV-2は宿主タンパク質を模倣して防御を回避する
SARS-CoV-2は、宿主の細胞核でDNAをパッケージングするヒストンタンパク質の1つを模倣するように進化してきたことが明らかになった。この模倣によって、遺伝子の転写が阻害されて、抗ウイルス応答が減弱する。
-
無害な腸内細菌への攻撃を抑える免疫細胞ができる仕組み
炎症性腸疾患を防ぐためには、免疫系が能動的にその制御を行う必要がある。今回、腸で免疫抑制性の「制御性T細胞」の分化を促進する細胞集団が見つかった。
-
最初期のヒト族は二足歩行も木登りも
チャドで発見されたヒト族の脚の骨1本と腕の骨2本は、700万年ほど前、ヒトとチンパンジーの系統が分かれた頃に、初期のヒト族が二足歩行性でありながら木登りもできたことを示唆している。
-
イノシン分子が体重減少を焚きつける
体内の褐色脂肪はエネルギーを熱に変換する。今回、死にゆく褐色脂肪から放出されたイノシン分子が、近傍の褐色脂肪細胞の熱産生を誘導することが報告された。これは肥満と闘う方法を示している可能性がある。
-
既知最古の動物のベールを取り払う
刺胞動物の起源は、化石記録に空白があるため長く謎に包まれてきた。今回、待望のエディアカラ紀の刺胞動物の化石が発見され、この動物群の初期進化の重要な特徴が明らかになった。
-
2剤併用で全身毒性を巧妙に回避
2種類の薬剤の併用により、ラパマイシン標的タンパク質複合体1(TORC1)と呼ばれる タンパク質複合体の活性を脳でのみ阻害し、体組織では阻害しないようにすることが可能になった。これを脳腫瘍のマウスに適用すると、全身毒性を回避しながら治療することができた。
-
陽子がチャームクォークを含む証拠
陽子が固有チャームクォークと呼ばれるクォークを含んでいる証拠が得られ、約40年前の提案が確かめられた。
-
ビタミンK再利用の新たなメディエーターの発見
ビタミンKは、ワルファリンと呼ばれる薬剤の有害な副作用に拮抗する。研究者たちは、長い間、この拮抗作用を可能にする酵素の正体を突き止めようとしてきた。 今回、フェロトーシスと呼ばれるタイプの細胞死の解析から、思いがけなくこの謎が解明された。
-
亜鉛イオンのエスコートタンパク質を特定
細胞の重要な酵素に亜鉛イオンを確実に送達する金属シャペロンタンパク質が見つかった。この知見により、亜鉛が不足している場合には細胞内での亜鉛の配分が巧妙に制御されることが鮮明になった。
-
気体溶解度を飛躍的に高める「多孔性の水」
特殊な多孔性固体を水中に懸濁させることで「多孔性の水」が得られた。この液体は、血液よりも多くの酸素を運ぶことができ、生物医学用の水性製剤への道を開くと期待される。