アーカイブ検索

キーワード

セクション

  • トランスユーラシア諸語の起源を追う

    トランスユーラシア語族が約9000年前に中国の穀類農耕民集団の中で生まれ、その拡散は農耕に支えられていたことが、言語学、考古学、遺伝学データの「三角測量」から示唆された。

    2022年2月号

  • COVID-19検査対象の入国者を選別するアルゴリズム

    入国者に対するCOVID-19検査を最適化するためには、陽性になる可能性が高い人を予測する必要がある。ギリシャの国境では、検査対象を絞るための機械学習アルゴリズムが導入されている。

    2022年2月号

  • 衛星用のヨウ素エンジンを宇宙で初試験

    固体のヨウ素は、加熱されると気体に直接変わる。これは、安価で小型のロケットエンジンに適した性質だ。今回、ヨウ素を使った電気推進エンジンが宇宙で機能することが初めて確かめられた。小型衛星の大規模ネットワークが実現しやすくなりそうだ。

    2022年2月号

  • ヒト脳の進化の遺伝的交響曲

    ヒトの脳の前頭前野は他の生物種よりも大きい。マウス、マカク、ヒトの脳の比較により、これらの違いの背後にある遺伝的・分子的要因のいくつかが明らかになった。

    2022年1月号

  • 夜間絶食によって寿命が延びる可能性

    夜間を含んで長い絶食時間を作ると健康寿命が延びることが、ショウジョウバエを使った研究で示された。これは、夜間には、細胞内の物質が分解されてリサイクルされるオートファジーと呼ばれる過程が促進されることと関係している。

    2022年1月号

  • 腫瘍は、筋肉や神経を保護するシグナルを遮断する

    ある種のがんは、人を消耗させ、衰弱させる悪液質という状態に陥らせる。今回、こうしたがんの悪液質マウスモデルにおいて、通常は筋肉の神経支配と量を保護している分子が、腫瘍によって阻害されることが示された。この発見は、致死的ながんを治療する方法につながるだろうか?

    2022年1月号

  • 電磁石で非磁性体を操る

    複数の電磁石を使って、磁性体でない金属物体に触れずに、金属物体を自在に動かすことができた。この方法は、SFの「トラクタービーム(牽引ビーム)」のように、宇宙でスペースデブリなどの危険な物体を動かす作業に使えるかもしれない。

    2022年1月号

  • ヒトがアラビアを通って繰り返し分散した証拠

    アラビア半島は、ヒト(現生人類に至る動物の系統)、およびヒト族の近縁種が アフリカを離れ始めたときの移動の要衝だった。考古学的証拠および当時の推定される気候から、初期人類がアラビアに居住していた時代のことが明らかになった。

    2021年12月号

  • ベンゼン環を選択的に開裂する

    ベンゼン環は、通常の反応条件では非常に壊れにくい。今回、ベンゼン環のC–C結合を選択的に切断できる開環反応が開発され、芳香族化合物が持つ、鎖状分子合成の構成要素としての可能性が浮き彫りになった。

    2021年12月号

  • 骨格の老化の基盤となる幹細胞

    老化が骨量減少にどのように関与するのかは分かっていない。 今回、老化したマウスでは、骨格幹細胞が、 骨芽細胞と呼ばれる骨形成細胞を生み出す能力を失い、 代わりに破骨細胞と呼ばれる骨吸収細胞の生成を促進することが明らかになった。

    2021年12月号

  • 孤独なハエに何が起こるか

    キイロショウジョウバエDrosophila melanogasterは社会的動物だ。今回、キイロショウジョウバエを長期的に社会的孤立状態に置くと、睡眠と摂食パターンの調節障害が起こることが分かり、長期間にわたって社会的接触が断たれると健康にどのような影響が表れるかについての手掛かりが得られた。

    2021年12月号

  • ロイシンが重要なシグナル伝達を調節する仕組み

    細胞は栄養素を感知することにより、現在置かれている状況に合わせて増殖を調整できる。今回、タンパク質複合体であるmTORC1によって、特定のアミノ酸のレベルに合わせて細胞の増殖を調整できることが明らかになり、特にロイシンを感知してmTORC1が活性化される仕組みがより明確になった。

    2021年11月号

  • 民主主義と専門知識をつなぐ市民会議

    市民会議を構成する代表人をより公正に選択するための 革新的なアルゴリズムが報告された。そのように選出された人々からなるグループは、民主主義と専門知識の間のギャップを埋める助けになりそうだ。

    2021年11月号

  • 暗闇に浮かび上がった1つ1つの化学反応

    溶液中で電気化学的に励起された個々の分子の発光反応が直接撮像された。この方法は、外部光源を必要としないため感度が高く、細胞の撮像では、標識付けせずに鮮明な画像を得ることができる。

    2021年11月号

  • 腫瘍が化学療法を回避する仕組みを根気よく調べる

    化学療法への抵抗性がどのように生じるかを理解すれば、より優れた抗がん剤治療につながる可能性がある。化学療法抵抗性には、化学療法を生き延びた腫瘍細胞である持続生残細胞が関与していると考えられている。今回、細胞の特徴を詳細に評価する方法が開発され、これによって持続生残細胞の起源が明らかになった。

    2021年11月号

  • 都市の食料不足を供給の多様化で防ぐ

    食料供給の突然の途絶(食料ショック)のリスクが高まっている という懸念が広がっている。食料ショックに対する都市の脆弱性は、そのサプライチェーン(供給連鎖)を多様化することによって減らすことができることが示された。

    2021年10月号

  • カイロウドウケツを通る水の流れ

    海綿動物の「カイロウドウケツ」は、美しい骨格構造を持つことで知られる。このほど、高度な数値シミュレーションによって、この骨格構造が、体にかかる抗力を低減させて頑健性を高めるだけでなく、食物粒子や有性生殖での精子の捕獲にも役立っている可能性が示された。

    2021年10月号

  • SARS-CoV-2変異株と闘うための単一ドメイン抗体

    ラクダやラマが産生する抗体には、「ナノボディ」と呼ばれる小さなタンパク質ドメインを用いて標的に結合するものがある。今回、COVID-19の治療において通常の抗体よりも優れた効果を発揮する可能性のあるナノボディを産生する、遺伝子改変マウスが作製された。

    2021年10月号

  • デザイナー繊維食で腸内微生物を変化させる

    食物が腸内微生物にどのような影響を与え、どうヒトの健康を左右するのかが分かれば、的を絞った食物戦略が得られる可能性がある。今回、ある臨床試験が行われ、その目標の実現に向けて一定の前進があった。

    2021年10月号

  • 鳥類の磁気受容の謎の解明に向けて大きく前進

    動物が地球の磁場を感知する仕組みは、今なお謎に包まれている。今回、渡り鳥のヨーロッパコマドリの網膜に存在する クリプトクロムタンパク質のErCRY4に、探し求められてきた磁気センサーとしての物理的特性が見いだされた。

    2021年9月号