小惑星ベンヌの塩で太陽系の水の歴史に迫る
探査機オシリス・レックスが2018年12月に撮影した小惑星ベンヌ。直径は約500 m。 Credit: NASA/Goddard/University of Arizona
2023年9月、米国航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機オシリス・レックスは、小惑星ベンヌの表面の物質を無事に地球に持ち帰った。持ち帰られた試料は、デリケートな物質が地球の大気中で分解することを防ぐため、注意深くキュレーション(収集した試料や情報を学術的専門知識を使って鑑定・研究・管理すること)された。米国立自然史博物館(ワシントンD.C.)のTimothy J. McCoy、および北海道大学や東京大学の研究者を含む研究チームは、ベンヌから持ち帰られた試料にさまざまな分解しやすい塩が含まれていたことをNature 2025年1月30日号1072ページで報告した1。McCoyらのこれらの塩の分析で、初期の太陽系で惑星の材料になった小天体である微惑星から、どのようにして水が失われたかが解明された。微惑星から水が失われたプロセスは、地球上にある水の量を決定し、生命の出現につながる化学反応に影響した。
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翻訳:新庄直樹
Nature ダイジェスト Vol. 22 No. 4
DOI: 10.1038/ndigest.2025.250446
原文
Asteroid Bennu contains salts from ancient brine- Nature (2025-01-29) | DOI: 10.1038/d41586-025-00084-5
- 関根康人(せきね・やすひと)
- 東京科学大学地球生命研究所(ELSI)、金沢大学、および東北大学に所属
参考文献
- McCoy, T. J. et al. Nature 637, 1072–1077 (2025).
- Fujiya, W., Sugiura, N., Hotta, H., Ichimura, K. & Sano, Y. Nature Commun. 3, 627 (2012).
- Lauretta, D. S. et al. Meteorit. Planet. Sci. 59, 2453–2486 (2024).
- Naraoka, H. et al. Science 379, eabn9033 (2023).
- Postberg, F. et al. Nature 618, 489–493 (2023).
- Raymond, S. N., Quinn, T. & Lunine, J. I. Icarus 168, 1–17 (2004).
- Fox-Powell, M. G. & Cousins, C. R. J. Geophys. Res. Planets 126, e2020JE006628 (2021).
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