Article 繊毛:Foxj1転写因子は運動性繊毛の形成にかかわる主な調節因子である 2008年12月3日 Nature Genetics 40, 12 doi: 10.1038/ng.263 運動性の繊毛はリズミカルな波打ち運動により体液の流れ作用を作り出す。哺乳類ではFoxj1転写因子が運動性繊毛の形成にかかわっているとされている。この論文では、ゼブラフィッシュのFoxj1遺伝子のホモログfoxj1aがフロアプレートでのヘッジホッグシグナル系の標的になっていることを示す。Foxj1aタンパク質の喪失によりフロアプレートの細胞に多数ある運動性繊毛に欠陥が生じる。フロアプレートばかりでなく、foxj1a遺伝子はクッパ―小胞や前腎管でも発現しており、そこで、繊毛の分化も促進している。Foxj1aタンパク質は運動性の繊毛の形成と機能にとって必須な遺伝子の配置を活性化し、その活性は運動性繊毛によく似た繊毛を他所で発生させるのに十分である。さらに同類の遺伝子であるfoxj1b遺伝子も耳の小胞で発現しており、この組織においても、繊毛の形成を調節しているようであることを報告する。この発見により、Foxj1タンパク質が運動性繊毛の形成を調節する転写プログラムの調節的な役割に深く寄与していることが示された。 Full text PDF 目次へ戻る