Letter コピー数多型:1q21.1の反復性で相反する欠失と重複は小頭症あるいは大頭症および発達異常や行動障害に関連する 2008年12月3日 Nature Genetics 40, 12 doi: 10.1038/ng.279 染色体1q21.1領域は大規模で複雑な低コピー反復配列を含んでおり、また、この領域のコピー数多型(CNV)は、最近、先天性心疾患、発育遅延、統合失調症およびそれに関連する精神病との関連が報告されている。我々は、1q21.1に微小欠失をもつ21人の発端者と1q21.1に微小重複をもつ15人の発端者について説明する。これらのCNVは、親の研究が可能であった場合の大半で受け継がれていた。統計的に有意で、一貫した特徴として、微小欠失のある人には小頭症、微小重複のある人には大頭症が認められることがわかった。特に、16q22.2に位置し、常染色体劣性水頭症に関与するHYDIN遺伝子のパラログが、ヒトの進化の過程で1q21.1領域に挿入されたが、我々は、研究を行った個々の人で、この遺伝子座が欠失あるいは重複していることを見いだした。このことから、この遺伝子座が、観察される頭の大きさの異常の候補となる可能性がある。我々は、1q21.1内の反復性で相反する微小欠失と微小重複が、頭の大きさの異常を特徴とし、さまざまな、発育遅延、精神神経異常、形成異常の特徴、先天異常をともなう、これまでには知られていないゲノム疾患を発現させると提案する。これらの表現型は不完全浸透と表現度の差異を示しやすい。 Full text PDF 目次へ戻る