Technical Report

スプライシング:LeafCutterを使用したアノテーション不要なRNAスプライシング定量

Nature Genetics 50, 1 doi: 10.1038/s41588-017-0004-9

前駆体mRNAからのイントロンの切り出しは、mRNAプロセシングに不可欠な過程である。我々は、標本あるいは母集団のイントロンスプライシングの多様性を研究する目的で、LeafCutterを開発した。LeafCutterは、ショートリードRNA-seqデータから多様なスプライシング現象を検出し、複雑性の高い過程を発見することができる。この方法は転写物のアノテーション情報を必要としないので、複雑なスプライシング現象の解析においてアイソフォームやエキソンの相対的な使用頻度を推定する際の困難を回避できる。LeafCutterは、標本群間で異なるスプライシングを検出することにも、スプライシングの量的形質座位(sQTL)をマッピングすることにも使用可能である。現行の方法と比較して、我々の方法では1.4~2.1倍の数のsQTLを同定することができた。その多くは、疾患関連バリアントの分子レベルの作用を見つけるのに有用であった。LeafCutterによるイントロン定量と40の複雑形質との間の関連解析をトランスクリプトーム規模で行うと、遺伝子発現レベルのみに基づいての解析に比べて、疾患関連遺伝子の数を5%の偽検出率で平均2.1倍増加させた。LeafCutterは高速で拡張性があり使いやすく、インターネットで入手可能である。

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