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シロイヌナズナ:生殖細胞の細胞系譜特異的なDNAメチル化によってシロイヌナズナの減数分裂は調節されている

Nature Genetics 50, 1 doi: 10.1038/s41588-017-0008-5

DNAメチル化によって真核生物の遺伝子発現は調節されており、動物では発生に伴ってメチル化の大規模な再プログラム化が起こる。しかし、顕花植物の胞子体の生活環においては、発生段階のメチル化の再プログラム化が遺伝子を制御しているかどうかは、現在のところ知られていない。本論文では、シロイヌナズナArabidopsis thalianaの雄性生殖細胞の細胞系譜に特異的な、標的遺伝子に対するRNA指令型DNAメチル化(RdDM)活性が、減数分裂での遺伝子発現を調節していることを報告する。生殖細胞の細胞系譜特異的なRdDMが損なわれると、MPS1PRD2としても知られる)遺伝子のスプライシングに誤りが生じ、結果的に減数分裂が起こらなくなる。今回の研究成果は、顕花植物においても、de novoメチル化により細胞系譜特異的なエピジェネティックシグネチャーが作り出され、それが遺伝子発現を調節して細胞機能に寄与するという調節の仕組みが当てはまることを証明するものである。

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