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喘息:多様な祖先集団の関連解析から、免疫細胞に関係するエンハンサー標識と共存する新たな喘息リスク座位を同定

Nature Genetics 50, 1 doi: 10.1038/s41588-017-0014-7

多様な民族集団を対象にした世界規模のゲノムワイド関連研究のメタ解析(喘息症例23,948例および対照118,538例)を行い、喘息のリスクに関わるありふれたバリアントについて厳密に調べた。その結果、喘息のリスクに関連する5つの新規座位を同定し、2つの既知喘息座位に2つの新規関連を見つけた。また、これまでに喘息と花粉症との併存疾患で示唆されていた2つの座位が喘息と関連することを確立した。さらに、9つの既知座位での喘息との関連を確認した。このような多面性を示す喘息リスク座位を詳細に調べたところ、自己免疫疾患および炎症性疾患と関連する遺伝的バリアントと大きく重複することが判明した。特に免疫細胞において、喘息リスク座位にエンハンサー標識が多く含まれる知見が得られ、免疫に関連した機序の調節におけるこれらの座位の重要な役割が示唆された。

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