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ワタ:ワタの現生栽培種の高品質ゲノムアセンブリーとリシークエンシングが栽培品種の改良に役立つ情報資源を提供する

Nature Genetics 53, 9 doi: 10.1038/s41588-021-00910-2

ワタからは繊維産業で用いられる天然繊維が作られる。ワタ植物において、農業形質に影響を与えるゲノムの構造的多様性の遺伝的影響は明らかになっていない。我々はリクチメンGossypium hirsutumの栽培品種NDM8とカイトウメンGossypium barbadenseのアクセッションPima90の高品質ゲノムアセンブリーを作製し、これら2種と、リクチメンの1081アクセッションを解析した結果、大規模な構造的多様性を検出した。検出された構造的多様性の密度はDサブゲノムにおいてAサブゲノムより高く、このことは種形成および品種開発の過程でDサブゲノムがより強い選択を受けたことを示している。また、農業形質に影響を与える可能性のある構造的多様性が遺伝子内や調節領域内に多数存在していることが判明した。農業形質に有意に関連する446の構造的多様性のうち、繊維品質と半身萎凋病耐性に関する多様性は主にDサブゲノムに位置しており、収量に関する多様性は主としてAゲノムに位置していた。本研究は、遺伝子型と表現型の関係におけるゲノムの構造的多様性の役割と、作物の改良におけるその有用性についての知見を提供するものである。

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