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硬骨魚類:アミア・カルヴァのゲノムは条鰭類魚類の発生進化を明らかにする
Nature Genetics 53, 9 doi: 10.1038/s41588-021-00914-y
アミア・カルヴァ(Amia calva)は、一連の独特な祖先表現型および派生表現型を有する条鰭類の魚類であり、脊椎動物の進化を理解するためのカギとなる存在である。アミア・カルヴァは系統学的に新鰭類の代表として位置付けられ、原型の特徴をとどめたボディープランと、(真骨類とは異なり)全ゲノム重複を受けておらずゆっくり進化するゲノムを持ち、条鰭類のゲノム探索における要となる種となっている。今回我々は、遺伝子の順序・配置を解析することを可能にする、アミア・カルヴァの染色体レベルのゲノムアセンブリーを提示する。これは長く議論されていた新鰭類の系統関係を解決するものである。我々は免疫、鱗、呼吸器系、ひれの骨格系の進化について調べるために、アミア・カルヴァの発生過程におけるクロマチン接近可能性と遺伝子発現について検討し、広く脊椎動物で保存されている遺伝子調節座位を何百も同定した。これらの情報資源は硬骨魚に見られる発生進化を結び付け、ゲノム時代における脊椎動物の生物学と多様性を明らかにするためのアミア・カルヴァの重要性をさらに強調するものである。