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遺伝子調節:哺乳類における発生エンハンサー活性化の際のエンハンサー–プロモーター相互作用の増加

Nature Genetics 56, 4 doi: 10.1038/s41588-024-01681-2

遠位のエンハンサーは物理的な近接を介して標的プロモーターと相互作用すると考えられているが、エンハンサー機能におけるこの近接性の重要性はいまだ明らかになっていない。本論文では、哺乳類の発生過程におけるエンハンサーの三次元(3D)コンホメーションを調べるために、マウスの10種類の胚組織におけるin vivo活性の特徴が明らかな約1000のエンハンサーについて、組織を高分解能で解析した接触マップを作製した。発生エンハンサーの61%は隣接遺伝子を迂回するが、こうした隣接遺伝子はプロモーターがCpGメチル化標識されていることが多かった。エンハンサーの大部分は組織特異的な3Dコンホメーションを示し、エンハンサー–プロモーター相互作用とエンハンサー–エンハンサー相互作用は両方とも、in vivoでのエンハンサー活性化時に、ある程度一貫して増加した。組織で安定に形成されるエンハンサー–プロモーター相互作用は14%未満であった。しかし、これらの不変の相互作用はエンハンサーが存在しなくても形成されるので、隣接するCTCF結合によって仲介される可能性がある。我々の結果は、一般的に哺乳類における発生遺伝子活性化にはエンハンサー–プロモーターの物理的な近接が重要であることを明らかにしている。

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