Technical Report 小胞体ストレスを観察・記録するためのトランスジェニックマウスモデル 2004年1月1日 Nature Medicine 10, 1 doi: 10.1038/nm970 小胞体(ER)ストレスはER内腔での折りたたみ不全タンパク質の蓄積によって起こり、血管障害や神経変性疾患と関連性があるとみられている。ERストレスと一部の疾患関連タンパク質との結びつきについては、これらの疾患の動物モデルを使って研究されているが、ERストレスに関するin vivoのデータで有用なものは今のところ皆無である。本論文では、ERストレス状態で起こるIRE-1によるXBP-1 mRNAのスプライシングを利用した、in vivoでERストレスを観察・記録する新手法を報告する。ストレスの指標遺伝子は、XBP-1と緑色蛍光タンパク質の一種であるvenusを融合して作った。ストレス状態でスプライシングを受けた指標遺伝子mRNAはXBP-1-venus融合タンパク質に翻訳され、これが蛍光によって検出される。我々は、このERストレス指標物質を発現するトランスジェニック動物が、in vivoでの生理的および病理的なERストレスを観察・記録するために使えることを示す。 Full text PDF 目次へ戻る