Research Highlights 軟骨細胞におけるCNPの過剰発現はMAPK経路を介して軟骨形成不全症を改善する 2004年1月1日 Nature Medicine 10, 1 doi: 10.1038/nm971 軟骨形成不全症は、ヒトにおける最も一般的な遺伝性の低身長症であり、現在のところ有効な治療法はない。C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、内軟骨性骨化による成長を、膜型グアニル酸シクラーゼのサブタイプGC-Bを介して調節することが新たに判明した分子である。本論文では、CNPを軟骨細胞で過剰発現させると、繊維芽細胞成長因子受容体3(FGFR-3)が軟骨で活性化している軟骨形成不全症のマウスモデルにおける低身長を改善することを報告する。CNPは、FGFシグナル伝達のMAPK経路を阻害して成長板における細胞外マトリックス合成の低下を是正することにより、軟骨形成不全症の骨短縮を改善した。CNPは、軟骨形成不全症の軟骨細胞の増殖抑制と分化遅延に関与するFGFシグナル伝達のSTAT-1経路には影響しなかった。この結果は、内軟骨性骨化による骨形成におけるCNP–GC-B系の活性化が、ヒトの軟骨形成不全症の新しい治療法となることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る