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RAB低分子量GTPアーゼは卵巣癌および乳癌の悪性度を決定する

Nature Medicine 10, 11 doi: 10.1038/nm1125

高密度アレイを用いた比較遺伝子競合法(CGH)により、卵巣癌および乳癌のおよそ半分で、染色体1q22上にある低分子量GTPアーゼRAB25遺伝子を中心とする増幅が見つかった。このGTPアーゼは頂端部小胞輸送にかかわると考えられている。RAB25のmRNAレベルは、増幅領域内にある他の遺伝子と比較すると、漿液性上皮卵巣癌のステージIIIとステージIVで選択的に上昇しており、RAB25がアンプリコンの増加を駆動している可能性を示している。RAB25のDNAのコピー数やRNAのレベルの上昇は、卵巣癌と乳癌における無病生存期間あるいは全生存期間の大幅な低下と結びつけられた。RAB25の強制的な発現は、接着依存性および非依存性の細胞増殖を著しく促進し、化学療法によって引き起こされる場合を含めてアポトーシスやアノイキスを防止し、in vivoでの癌の悪性度を増加させる。アポトーシスの阻害は、アポトーシス促進分子であるBAKやBAXの発現低下と、抗アポトーシス性のホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)とAKT経路の活性化と関連しており、これらが上皮癌の悪性化にRAB25が影響する仕組みである可能性がある。これらの結果はRAB25、つまり低分子量Gタンパク質のRABファミリーが上皮癌の悪性化にかかわっていることを示している。

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