Brief Communication

Lynキナーゼを標的とする低分子干渉RNA(siRNA)は薬剤耐性を示すBCR-ABL1(+)初代培養白血病細胞でアポトーシスを誘導する

Nature Medicine 10, 11 doi: 10.1038/nm1127

タンパク質Lynの除去が、薬剤耐性を示す急性転化期の慢性骨髄性白血病(CML)の細胞の生存に及ぼす作用をsiRNAを用いて調べた。LynのsiRNAはLynタンパク質を、正常造血細胞とBCR-ABL1を発現する(BCR-ABL1(+))芽球で80〜95%まで減少させた。siRNAで処理したBCR-ABL1(+)細胞は48時間以内にアポトーシスを起こしたが、正常細胞は生存していた。BCR-ABL1(+)芽球の生存がLynシグナル伝達にこのように大きく依存するようになることは、薬剤耐性を示す急性転化期CML、特にリンパ芽球性急性転化の場合に合理的な治療を行う基盤となる。

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