Letter ウイルス感染に対する自然免疫におけるISG15プロテアーゼUBP43 (USP18)の役割 2004年12月1日 Nature Medicine 10, 12 doi: 10.1038/nm1133 自然免疫応答は、ウイルスのような感染性病原体に対する初期防御バリアを宿主に付与し、宿主のその後の適応免疫応答の種類と性質を形づくるのに役立つ。ユビキチン様タンパク質であるISG15(UCRP)の発現とタンパク質のISG化は、ウイルス感染時に大幅に増加する。我々は、UBP43(USP18)が脱ISG15化プロテアーゼであると同定した。タンパク質のISG化は、UBP43を欠損する細胞において亢進している。本論文では、Usp18遺伝子にコードされているUBP43の、ウイルス感染に対する自然免疫における役割を調べた。Usp18-/-マウスは、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)または水疱性口内炎ウイルス(VSV)の脳内接種後に野生型マウスにおいてそれぞれ発症する致死性のリンパ球性脈絡髄膜炎および脊髄脳炎に対して抵抗性であった。脳内へのLCMV感染後のUsp18-/-マウスの生存は、脳内でのLCMVのRNA複製と抗原発現の強い阻害、およびタンパク質のISG化レベルの上昇と相関していた。Usp18-/-マウスの胎仔繊維芽細胞(MEF)および骨髄由来マクロファージでLCMVの複製が制限されていたことは、これらの結果と一致している。さらに、Usp18-/-マウスのMEFは、VSVおよびシンドビスウイルス(SNV)によって引き起こされる細胞変性効果に対して、インターフェロンを介した抵抗性が亢進していた。本報告は、ISG15プロテアーゼであるUBP43と、おそらくはタンパク質のISG化が、ウイルス感染に対する自然免疫にかかわっていることを示す最初の直接的な証拠である。 Full text PDF 目次へ戻る