Article FXRのアゴニストによるマウスモデルでのコレステロール系胆石症の予防 2004年12月1日 Nature Medicine 10, 12 doi: 10.1038/nm1138 コレステロール系胆石症は、胆汁中でのコレステロールの沈殿、胆汁酸の疎水性の増大、胆嚢の炎症などを特徴とする。本論文では、胆汁酸受容体FXRを欠くマウスで見られる同様の表現型について報告する。また、胆石を遺伝的に生じやすく、ヒトのコレステロール系胆石症に似た症状を呈する野生型マウスでは、合成FXRアゴニストによる治療で症状の続発が防止された。こうした作用は、FXRに依存して起こる胆汁中の胆汁酸塩増加およびリン脂質濃度の上昇によるもので、これらによってコレステロールの溶解性が回復し、さらに胆石形成が予防された。以上の結果をまとめると、FXRはコレステロール系胆石症の治療または予防の有望な標的となると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る