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慢性HIV-1感染に対する治療用樹状細胞ワクチン

Nature Medicine 10, 12 doi: 10.1038/nm1147

本論文では、樹状細胞(DC)を使った治療用HIV-1ワクチンの効果の予備的な試験結果を示す。HIV-1慢性感染者で現在治療を受けておらず、安定したウイルス負荷が少なくとも6か月間見られた18人に対して、アルドリチオール2で不活化した自己HIV-1を取り込ませた自己単球由来樹状細胞を用いて免疫を行った。血漿中ウイルス負荷レベルは、免疫直後の122日間にわたって80%(中央値)まで低下した。ウイルス負荷の90%以上の持続的抑制は、8人で少なくとも1年間観察された。ウイルス負荷の抑制は、HIV-1に特異的にインターロイキン2もしくはインターフェロンγを発現するCD4+T細胞、およびHIV-1-gag特異的パーフォリン発現CD8+エフェクター細胞と正の相関を示すことから、in vivoでウイルス特異的CD8+エフェクター細胞を誘導・維持してHIV-1を封じ込めるには、強いウイルス特異的CD4+1型ヘルパーT細胞(TH1)応答が必要であると考えられる。この結果は、不活化ウイルスをパルスしたDCワクチンが、慢性HIV-1感染者の治療に有望な戦略となる可能性を示している。

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