Article オーロラキナーゼに対して選択的にはたらく強力な小阻害剤VX-680はin vivoでの腫瘍増殖を抑制する 2004年3月1日 Nature Medicine 10, 3 doi: 10.1038/nm1003 オーロラキナーゼは有糸分裂中の染色体分離および細胞質分裂の調節に必須である。多様なヒト腫瘍でこれらのキナーゼの発現および活性に異常が生じており、それが染色体の異数性および腫瘍化につながっている。本論文では、オーロラキナーゼに対して選択的にはたらく非常に強力な小分子阻害剤VX-680が見つかったことを報告する。VX-680は多岐にわたるヒト腫瘍で細胞周期の進行を阻止しアポトーシスを誘導する。この化合物はさまざまなin vivo異種移植モデルで腫瘍の増殖を完全に阻害し、許容量で白血病、結腸およびすい臓の腫瘍を退縮させた。今回の結果は、オーロラキナーゼの阻害が多様なヒト悪性腫瘍で新しい治療法となることを示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る