Article 血管リモデリングの調節因子として作用するNogoの新しい役割 2004年4月1日 Nature Medicine 10, 4 doi: 10.1038/nm1020 Nogo-Aは、中枢神経系で軸索再生の阻害因子として同定されているが、末梢でNogoのアイソフォームが果たす役割はほとんど明らかになっていない。今回、カベオラおよび脂質ラフト(CEM/LR)に多く含まれるタンパク質を同定するプロテオーム解析により、培養下の内皮細胞および平滑筋細胞で、Nogo-Bが正常血管中と同じく高度に発現されていることがわかった。Nogo-BのN末端は、血管リモデリングに必要な過程である内皮細胞の遊走を促進するが、同じく必要な血管平滑筋(VSM)細胞の遊走は阻害する。Nogo-A/B欠損マウスの血管が損傷すると、新内膜の過度の増殖が促進される。このノックアウトマウスにみられる異常な血管拡張は、アデノウイルスを使ったNogo-B遺伝子の導入により救済された。Nogo-Bが血管の恒常性およびリモデリングの調節因子であるという今回得られた知見は、このファミリーのタンパク質の機能域を広げるものである。 Full text PDF 目次へ戻る