Article アロ反応性ドナーT細胞移植前の宿主ランゲルハンス細胞の減少は皮膚での移植片対宿主病を防ぐ 2004年5月1日 Nature Medicine 10, 5 doi: 10.1038/nm1038 皮膚は、移植片対宿主病(GVHD)において、最も一般的におかされる組織である。皮膚の主要な樹状細胞であるランゲルハンス細胞のGVHDにおける役割を調べるため、我々は、ランゲルハンス細胞の運命を、同種異系の骨髄を移植したマウスで調べた。他の樹状細胞とは対照的に、宿主ランゲルハンス細胞は、骨髄と一緒にドナーT細胞が投与されたときにのみドナーのランゲルハンス細胞と置き換わり、またランゲルハンス細胞のキメラ化の程度は、注入されたドナーT細胞の数と相関していた。ドナーT細胞は、Fas依存的経路を介して宿主ランゲルハンス細胞を減少させ、ドナーランゲルハンス細胞の動員に必要であるCCL20の産生を皮膚において誘導した。宿主ランゲルハンス細胞が残存する骨髄キメラマウスに対してドナーT細胞を投与すると、結果として、顕著な皮膚GVHDが引き起こされたが、宿主ランゲルハンス細胞が置き換わったマウスではこういうことは起こらなかった。これらの結果は、宿主ランゲルハンス細胞の置換におけるドナーT細胞の重要な役割を示し、また宿主樹状細胞は、動物が生きている期間中、非リンパ系組織に残留し、血液が完全なキメラ状態になっているにもかかわらず、GVHDを引き起こすことができることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る