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CD1dの機能はミクロソームトリグリセリド転送タンパク質により制御される

Nature Medicine 10, 5 doi: 10.1038/nm1043

CD1dは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIに関連する分子であり、ナチュラルキラー細胞受容体とインバリアントNKT細胞T細胞受容体α鎖を発現する独特なT細胞サブセット(インバリアントNKT細胞)に対する糖脂質抗原提示機能をもつ。CD1dによる糖脂質抗原の獲得の一部は、エンドソーム内に存在する脂質転送タンパク質、すなわちサポシンの機能を介して行われる。今回我々は、肝細胞および腸管上皮細胞(IEC) の小胞体内に存在し、アポリポプロテインBの脂質化に必須であるタンパク質、すなわちミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)が、肝細胞ではCD1dと結合していることを示す。Mttp(MTPをコードする遺伝子)を条件的に欠失させた動物の肝細胞、およびMttp遺伝子産物をサイレンシングしたIECは、インバリアントNKT細胞を活性化することができない。肝細胞においてMttp遺伝子を条件的に欠失させると、CD1d発現の再分布がみられ、Mttp欠失マウスは、インバリアントNKT細胞が媒介する肝炎および大腸炎に関連する免疫病変に耐性を示す。本研究は、小胞体においてMTPがCD1dを制御する機能は、in vivoでのエンドソームにおけるサポシンの機能を補足するものであることを示している。

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