Technical Report 生物発光を使ってCdk2阻害をin vivoで画像化 2004年6月1日 Nature Medicine 10, 6 doi: 10.1038/nm1047 薬理的に重要なタンパク質や反応経路のなかには、ユビキチンリガーゼやその基質を侵害するものが多い。たとえばサイクリン依存性キナーゼ(Cdk)阻害因子p27は、F-boxタンパク質Skp2を含むユビキチンリガーゼ複合体によって、細胞周期に依存したポリユビキチン化を受ける。p27の代謝回転制御の少なくとも一部は、Cdk2によるトレオニン187のリン酸化によっており、これによりSkp2結合部位が生じる。我々はp27ルシフェラーゼ融合タンパク質(p27Luc)を作製し、その存在量が、p27の存在量と同様に細胞周期に依存する形でSkp2により制御されることを示す。阻害タンパク質や阻害ペプチド、もしくは低分子干渉RNA(siRNA)でCdk2活性を阻害したところ、p27Luc量は予想通り増加した。生物発光を使った非侵襲性の画像化技術により、Cdk2阻害剤(フラボピリドールとR‐ロスコビチン)に反応してヒト腫瘍細胞でp27Lucの蓄積が起こることをin vivoで実証できた。理論的には、ここに報告した手法は、ユビキチンリガーゼ基質の代謝回転に直接もしくは間接的に影響を及ぼす薬剤標的物質の生物発光性レポーター分子の開発に使えるはずである。 Full text PDF 目次へ戻る