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LARGEは特殊な先天性筋ジストロフィーにおけるαジストログリカンの糖鎖修飾異常を機能的に回復させる

Nature Medicine 10, 7 doi: 10.1038/nm1059

既知の糖転移酵素または推定糖転移酵素の異常を原因とする数種類の先天性筋ジストロフィーは、αジストログリカン(α-DG)の糖修飾不全およびα-DGの受容体機能の著しい低下を共通の原因としている。今回、Largemydマウスおよび先天性筋ジストロフィー1D(MDC1D)患者で変異がみられる推定糖転移酵素LARGEに遺伝子操作を加え、その結果α-DGに生じるプロセシングおよび機能の変化を調べた。本論文では、LARGEを過剰発現させると、Largemydマウスのジストロフィー性表現型が改善され、多糖類を豊富に含み細胞外リガンドに対する親和性の高いα-DGの合成が誘導されることを報告する。注目すべきことにLARGEは、遺伝的に異なる各種の先天性筋ジストロフィー患者由来の細胞における、α-DGの糖鎖修飾欠損を回復させる。LARGE遺伝子を、先天性筋ジストロフィー患者の細胞に導入するとα-DGの受容体機能が回復し、その結果、多糖類を豊富に含むα-DGは、細胞表面のラミニンの配列を調節する。これらの結果は、LARGEの発現調節あるいは活性調節が、糖転移酵素欠損型の先天性筋ジストロフィーに対する有望な治療戦略であることを示している。

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