Article 皮膚疾患:新たなトランスジェニックマウスモデルでStat3は乾癬発生に必要な活性型角化細胞と免疫細胞を結びつけている 2005年1月1日 Nature Medicine 11, 1 doi: 10.1038/nm1162 乾癬病変部の表皮角化細胞はStat3が活性化されているという特徴をもつことが明らかになった。角化細胞が活性型Stat3を構成性発現しているトランスジェニックマウス(K5.Stat3Cマウス)では、乾癬類似の皮疹を自然に、または創傷刺激により発症する。K5.Stat3Cマウスの角化細胞では、乾癬発生に関連する複数の分子の発現が亢進している。またK5.Stat3Cマウスにおける乾癬病変の発生には、角化細胞におけるStat3の活性化と活性化T細胞の協同作用が必要である。さらに、K5.Stat3CマウスでStat3の機能をデコイオリゴヌクレオチドによって阻害すると乾癬発生が抑えられ、また既存の乾癬病変も軽快した。したがって、Stat3を標的とする戦略は乾癬の治療法として有用であると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る