免疫：CD154の発現にもとづいた、明確な抗原特異性をもつCD4⁺T細胞の直接的な単離法

病気を引き起こす免疫や防御免疫を評価するには、抗原に特異的なTヘルパー(T_H)細胞の反応を直接に評価することが不可欠である。現在のところ、抗原特異的なTH細胞の解析と単離は、サイトカインを産生する細胞に限られるか、もしくは特定のペプチドと主要組織適合遺伝子複合体クラスII(MHC II)多量体をまれに選び出せたときにのみ可能である。今回我々は、in vitroでの刺激後に誘導されたCD154の発現にもとづいて、ある特定の抗原に特異的なTH細胞を評価・単離できる新しい方法を報告する。抗原によって誘導されたCD154の発現は感度が高く、ヒトおよびマウスの抗原特異的TH細胞に特異的であるとわかった。また、抗原特異的CD154⁺T_H細胞を単離するには細胞表面を抗体で染色するだけでよく、したがって、抗原特異的T_H細胞株の迅速な作製が可能になる。この方法は、明確な特異性をもつT_H細胞について、T_H細胞免疫の定量的および定性的な複合解析の評価だけでなく、標的細胞免疫療法に用いる特異的T_H細胞の単離の評価をも可能にするものである。