Technical Report

免疫:多様なサイトカイン・プロファイルをもつ抗原特異的CD4+T細胞を検出するための生細胞解析法

Nature Medicine 11, 10 doi: 10.1038/nm1293

休止状態ではなく、活性化されて間もないCD4+T細胞はCD154を発現して、B細胞や抗原提示細胞(APC)へ共刺激シグナルを与える。したがって、刺激後のde novoなCD154の発現により、抗原特異的CD4+T細胞を同定することができる。細胞表面でのCD154の発現は一過性であるため、従来の解析法には限界があった。我々は、刺激に際して、蛍光標識したCD154特異的抗体を加えることにより、この問題を克服した。我々の解析法は、細胞内サイトカイン染色法と十分に両立可能であり、24時間もの長い間、刺激するために使用することができる。注目すべきは、この方法が致死的ではないので、生きた抗原特異的CD4+T細胞を精製する手段を提供し、さらに細胞解析ができることである。この解析法を用いて、刺激されて腫瘍壊死因子(TNF)-α、インターロイキン(IL)-2あるいはインターフェロン(IFN)-γを発現する細胞の大部分がCD154+であることを見いだした。さらに、これらのサイトカインのいずれも発現しない細胞の中にもCD154を発現するものがあった。これは、CD154が他のエフェクター機能をもつ細胞の標識になることを示唆している。ワクチン特異的もしくは病原体特異的な応答に関して、CD154とサイトカインの発現にかなりの不均一性がみられたことから、応答細胞がCD40を介してAPCを刺激する能力には、これまで認識されていなかった多様性があると考えられる。

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