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炎症:腫瘍壊死因子受容体PLADドメインを標的にすることによる炎症性関節炎の改善

Nature Medicine 11, 10 doi: 10.1038/nm1304

腫瘍壊死因子(TNF)-αは、関節リウマチや敗血症性関節炎などの自己免疫性および炎症性疾患の病因に重要な役割を担っている。TNF-αの生物学的作用は、TNF受容体であるTNFR1(P60としても知られる)もしくはTNFR2(P80としても知られる)への結合を介して行われる。PLAD(pre-ligand assembly domain)ドメインはTNFRの細胞外領域の一部であって、シグナル伝達に不可欠な受容体鎖の会合にかかわる。我々は、可溶型のPLAD、特にP60由来のものがin vitroでTNF-αの生化学的作用を阻害し、また動物モデルでは関節炎を強く抑制することを見いだした。したがってPLADを標的とすることは、TNFRスーパーファミリーの受容体群が関与するヒトの関節炎などの疾患の治療において臨床的価値をもつと考えられる。

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