Article 自己免疫疾患:Toll様受容体の会合はT細胞自己反応性を明白な自己免疫疾患へと変化させる 2005年2月1日 Nature Medicine 11, 2 doi: 10.1038/nm1176 ヒトの自己免疫性糖尿病は、膵島β細胞の免疫学的破壊を特徴とする。我々は、ラットインスリンプロモーター制御下の導入遺伝子としてリンパ性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)糖タンパク質(GP)を発現するマウスにおいて、膵島β抗原に特異的なCD8+細胞がこの疾患を誘導する状況を調べた。LCMV感染とは対照的に、LCMV-GP由来ペプチドを用いた免疫は、自己反応的な細胞傷害性T細胞の数が多いにもかかわらず、自己免疫性糖尿病を誘導せず、それに引き続くToll様受容体リガンドを用いた処置のみが明白な自己免疫疾患を惹起した。この違いは末梢の標的器官自体によって決定的に調節されており、標的器官はToll様受容体を引き金とする全身的なインターフェロンα産生に応答してクラスI主要組織適合複合体(MHC)を増加させた。これらの結果は、標的器官の「炎症状態」が、自己免疫疾患発症の決め手となる独立で限定的な要因であることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る