Article 糖尿病:糖尿病マウスでのCdkn1bの欠損は、代償性高インスリン血症を維持することにより高血糖を改善する 2005年2月1日 Nature Medicine 11, 2 doi: 10.1038/nm1187 p27Kip1タンパク質は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性を阻害することによって、哺乳類の細胞周期の進行を調節している。今回我々は、インスリン受容体基質2欠損マウス(Irs2−/−)、あるいは長型のレプチン受容体欠損マウス(Lepr−/−もしくはdb/db)のいずれにおいても、p27Kip1が膵β細胞核内に次第に蓄積することを示す。p27Kip1をコードしている遺伝子(Cdkn1b)を欠損させると、主に膵β細胞の増殖が刺激されることによって、膵島容積が増大し代償性高インスリン血症が維持されるため、これらの2型糖尿病モデル動物において高血糖の改善がみられる。したがって、p27Kip1は、Irs2−/−マウスやLepr−/−マウスの2型糖尿病への進展の過程におけるβ細胞機能不全に寄与しており、このような状態に対する新たな治療標的となる可能性がある。 Full text PDF 目次へ戻る