Article 骨移植:固着化したrAAV-RANKLとrAAV-VEGFを用いた遺伝子治療による他家移植骨のリモデリング 2005年3月1日 Nature Medicine 11, 3 doi: 10.1038/nm1190 他家骨移植における治癒反応には、血管新生とリモデリングが起こらないために限界がある。この問題を解決するために、我々は生体自家骨移植治癒および処理他家骨移植治癒の臨床像を再現できるマウスモデルを作出した。遺伝子発現解析の結果、他家骨移植の治癒においてRANKLとVEGFをコードする遺伝子の発現が大幅に減少していることが示された。また機能喪失実験からこれら両因子は自家骨移植時の治癒に必須であることが示された。これらのシグナルの添加が他家移植骨の血管新生とリモデリングを誘導するかどうかを確認するために、我々は感染能を損なうことなく凍結乾燥したrAAVを骨皮質表面に固着させる新しい手法を開発した。rAAV-RANKLとrAAV-VEGFを組み合わせて骨皮質に固着した他家移植骨は顕著なリモデリングと血管新生を示し、移植骨の周りに新規の鞘状骨形成を誘導した。我々はRANKLとVEGFが自家移植骨の効率的なリモデリングに必要かつ十分であり、rAAVを用いてこれらの遺伝子を導入することにより他家移植骨を活性化できると考える。 Full text PDF 目次へ戻る