Article 骨粗鬆症:Vav3は破骨細胞の機能と骨量を制御する 2005年3月1日 Nature Medicine 11, 3 doi: 10.1038/nm1194 高齢者における病的状態の主要な原因となる骨粗鬆症は、破骨細胞による骨吸収が骨芽細胞の骨形成に比べて過剰となることによる進行性の骨量の減少が特徴である。我々は、Rhoファミリーに対するグアニンヌクレオチド交換因子であるVav3が、in vivoで刺激された破骨細胞の活性化と骨密度に対して重要であることを突き止めた。Vav3分子を欠損する破骨細胞では、M-CSF受容体とαvβ3インテグリンの下流のシグナル経路が障害を受けることにより、アクチン細胞骨格の構成、細胞の極性や伸展、骨吸収能が損なわれる。Vav3欠損マウスは骨量が増加し、副甲状腺ホルモンやRANKLのような全身的な骨吸収刺激剤によって誘発される骨量の喪失を免れる。さらに、破骨細胞においてはSykチロシンキナーゼがVav3上流の制御因子として重要な役をになっていることを、遺伝学的・生化学的に実証した。したがって、Vav3は骨粗鬆症に対する治療の新しい標的分子となる可能性がある。 Full text PDF 目次へ戻る