Brief Communication

血管形成:骨髄由来内皮細胞のヒト腫瘍血管形成への寄与

Nature Medicine 11, 3 doi: 10.1038/nm1200

マウス腫瘍では、骨髄由来幹細胞が腫瘍内皮の大部分を形成することがあるのはすでに知られている。今回、骨髄由来幹細胞がヒト腫瘍での血管形成に果たす役割を明らかにするため、異性ドナー由来の骨髄細胞移植後に癌を発症した6名について研究を行った。蛍光抗体染色と性染色体特異的な標識プローブを用いた蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を行い、実際に骨髄由来幹細胞が腫瘍内皮形成に関与していることがわかった。しかし、内皮に占める割合は平均して4.9%だけと低かった。この結果は、血管形成に関してヒト腫瘍とマウスモデルの多くの間に大きな差異があることを示しており、実験的に行った抗血管形成治療の臨床への移行に重要なかかわりをもつものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度