Article HIV:抗レトロウイルス療法中断後のヒト中和抗体受動移入によるHIV-1リバウンドの遅延 2005年6月1日 Nature Medicine 11, 6 doi: 10.1038/nm1244 HIV-1に対するin vivoでの体液性免疫応答の防御能力を決定するために、抗レトロウイルス療法(ART)を中断している6人のHIV-1急性感染患者および8人のHIV-1慢性感染患者で、3種の中和抗体(2G12、2F5および4E10)のウイルスリバウンド抑制に関する有効性を評価した。8人のHIV-1慢性感染患者のうち2人だけが、受動免疫の間にウイルスリバウンド遅延の徴候を示した。ART中断時に抗体投与を受けた急性感染患者におけるリバウンドは、12人の急性感染患者を含む対照群よりも大幅に遅くなった。中和抵抗性変異株の解析から、2G12の活性が中和抗体カクテルのin vivoでの効果に非常に重要であることがわかった。今回のデータは、in vivoで効果を発揮するのに必要である中和抗体の効能、標的スペクトル幅および力価をより直接的に示したことで、HIV-1感染の抑制における体液性免疫の能力と限界の両方を明らかにしたといえる。 Full text PDF 目次へ戻る