Technical Report インフルエンザワクチン:インフルエンザ生ワクチンへの新たな取り組み:ヘマグルチニンの切断部位を改変 2005年6月1日 Nature Medicine 11, 6 doi: 10.1038/nm1256 インフルエンザの影響軽減に有望と思われている方法の1つは、弱毒化した生きているウイルスをワクチンに使うことである。我々は逆遺伝学を使い、A/WSN/33株のヘマグルチニン内の切断部位を改変して、タンパク質分解による活性化をエラスターゼに依存する変異型ウイルスを作出した。トリプシンを必要とする野生型と違って、この変異型は完全にエラスターゼに依存する。どちらの型のウイルスも細胞培養で同じくらいよく増殖する。しかし、マウスに対して野生型ウイルスが致死性であるのとは対照的に、変異型は毒性がまったく弱い。この変異型を接種(105プラーク形成単位)すると、野生型による致死的感染が完全に防御された。この手法を使えば、感染力・病原性の強いいかなるウイルス株でも遺伝的に相同で弱毒化したウイルスに転換できる。 Full text PDF 目次へ戻る