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心疾患:転写抑制因子Nab1は病的心肥大の特異的調節因子である

Nature Medicine 11, 8 doi: 10.1038/nm1272

肥大は、心臓が長期間の強い負荷に適応するための主要な生理学的反応であるが、心不全の発症においても重要である。心肥大を誘導する因子は多数知られているが、心肥大を制限する機構についてはほとんどわかっていない。本論文では、転写抑制因子NAB1が、心臓重量増大の内因性調節因子であることを報告する。我々は、NAB1の発現がマウスとヒトの心不全で促進されることを確認した。Nab1は哺乳類の心筋細胞で発現レベルが高く、標的となる転写因子Egrの抑制を介して心筋細胞肥大を阻害する。Nab1を心臓特異的に過剰発現するトランスジェニックマウスで、Nab1がin vivoでの病的刺激に対する心臓重量増大の強力な阻害因子であることが明らかになった。Nab1の過剰発現は、アドレナリン受容体を介して誘導された肥大と、圧負荷によって誘導された肥大を抑制したが、心臓発生中の成長、また運動に応じて起こる生理的重量増大には影響しなかった。これらの結果は、Nab1-Egr1系が、病的な心臓重量増大の重要な調節因子であることを意味している。

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