Cover Story: 消化の痕跡:化石化した糞と嘔吐物が明かす、恐竜が古代の生態系を支配するに至った過程
Nature 636, 8042 (2024年12月12日)
最初の恐竜が化石記録に登場するのは約2億3000万年前だが、ジュラ紀の始まりである約2億年前には、恐竜は古代の生態系を支配する存在となっていた。今週号ではM Qvarnströmたちが、この変化がどのように起こったかについて論じている。彼らは、消化物(つまり糞や嘔吐物)の化石を用いて、古代の食物網を再構築した。これにより、脊椎動物の生態、サイズ、個体数の変化を推定することができ、これによって、火山活動の増加と気候変動が、餌となる植物の多様性を増大させ、それが草食恐竜の多様化を促進した可能性が示唆された(表紙の想像図)。その結果、大型肉食種の進化が進み、ジュラ紀の初頭には恐竜が生態系を支配するようになった。