Brief Communication PI3K:PI3Kγの阻害は全身性エリテマトーデスのマウスモデルで糸球体腎炎の発症を抑え寿命を延ばす 2005年9月1日 Nature Medicine 11, 9 doi: 10.1038/nm1291 全身性エリテマトーデス(SLE)は、T細胞を介するB細胞活性化の調節異常により発症する慢性的な炎症性疾患であり、糸球体腎炎と腎不全を引き起こす。この疾患の治療には免疫抑制剤や細胞増殖抑制剤が使われるが、これらには多数の副作用がある。今回、炎症を調節する脂質キナーゼであるホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)γの阻害物質の使用について、SLEのMRL-lprマウスモデルで検討をおこなった。この阻害物質の投与により糸球体腎炎は軽快し、寿命が延びた。このことから、PI3Kγは慢性炎症の治療で有用な標的となると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る