in vivo腫瘍検出法として現在使用可能なコンピュータ断層撮影や磁気共鳴画像化などの方法は、腫瘍に特化されたものではない。今回我々は、テロメラーゼ特異的に増殖する緑色蛍光タンパク質(GFP)発現アデノウイルス(OBP-401)を用いることで腫瘍を蛍光により検出できる新規の腫瘍可視化法について報告する。OBP-401には、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)プロモーターがウイルスの増殖を促進するE1遺伝子を駆動する増殖カセット、およびウイルス増殖モニター用のGFP遺伝子が含まれている。BALB/c nu/nuマウスで、直腸に同所移植したHT29腫瘍にOBP-401を腫瘍内注入したところ、開腹時に3色冷却CCDカメラ撮影により傍大動脈リンパ節転移巣を可視化できた。今回の結果は、OBP-401が局所リンパ域へのウイルス浸透を引き起こし、腫瘍性病変で選択的に増殖して、転移リンパ節でのGFP発現が起こることを示している。この技術は、手術ナビゲーションの前臨床モデルの1つとして、in vivoでのリンパ節転移検出に適用できる。