Technical Report 免疫:エピトープ特異性の詳細な事前情報なしにウイルス特異的な生存T細胞を定量化 2006年10月1日 Nature Medicine 12, 10 doi: 10.1038/nm1413 病原体特異的T細胞の同定は、人工のペプチド−主要組織適合性複合体(MHC)四量体の登場によって大幅に進んだ。しかし多くの場合、特異的エピトープは確定されておらず、正確なペプチド−MHC特異性に頼らない検出手法が必要となっている。リンパ球は抗原提示細胞(APC)から表面タンパク質を獲得するので、我々はこの現象を使って、タンパク質転移によってAPCのT細胞認識を解析する方法(TRAP法)を開発した。この手法の基本原理は、APCにビオチン化とストレプトアビジン蛍光色素標識を施した後、抗原特異的T細胞にこの標識を獲得させることである。このTRAP法では、サイトカイン・プロファイルやペプチド-MHC間の親和性にかかわらずMHCクラスI拘束性T細胞を検出することができ、抗原特異的T細胞によるAPC膜成分の獲得現象を観察・測定するための汎用ツールとなる。 Full text PDF 目次へ戻る