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パーキンソン病:テロメラーゼ導入不死化中脳アストロサイトとの共培養により濃縮したヒトES細胞由来ドーパミン作動性ニューロンを用いた機能的移植

Nature Medicine 12, 11 doi: 10.1038/nm1495

ヒト胚性幹(HES)細胞をドーパミン作動性ニューロンへと運命づけるために、我々はHES細胞をソニックヘッジホッグおよび繊維芽細胞増殖因子8に曝露し、テロメラーゼ導入不死化ヒト胎児中脳アストロサイトと共培養した。これらのアストロサイトは、HES細胞株WA09およびWA01の双方によるドーパミン作動性神経の発生をかなり増強し、A9黒質線条体の表現型がより多く生じるようになった。ドーパミン作動性移植片を、6-ヒドロキシドーパミンによりドーパミン神経細胞を破壊したパーキンソン病ラットモデルの新線条体に移植すると、運動機能の相当度の回復が長期にわたって認められた。しかし、移植片はドナー由来のチロシンヒドロキシラーゼを発現するニューロンに富むものの、有糸分裂する未分化の神経上皮細胞の増殖塊が認められるようになった。これらは腫瘍化の危険性がある。今回の結果は、HES細胞からのドーパミン作動性神経発生を促進する際に、分化中のヒト中脳の細胞環境を再現する手法が有用であることを明らかにしており、その結果得られた細胞がパーキンソン病モデルで相当な機能回復能を示すことを実証している。しかし、HES細胞由来の移植片は表現型が不安定であったり、未分化な増殖を生じる危険性があることから、こうした細胞の臨床適用には慎重さが求められる。

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