Brief Communication
免疫:III型インターフェロンλの生産不足が喘息悪化に果たす役割
Nature Medicine 12, 9 doi: 10.1038/nm1462
ライノウイルスは喘息悪化の主要原因であり、また、喘息患者はライノウイルスに対する感受性や侵襲性の細菌感染に対するリスクが高い。本論文では、喘息患者の初代培養気管支上皮細胞および肺胞マクロファージでは、ライノウイルスによるインターフェロンλの誘導が低下していることを示す。この低下は、ライノウイルスによって引き起こされる喘息の憎悪や、ヒト被験者への実験的な感染でみられるウイルス負荷と高い相関関係がみられた。喘息患者のマクロファージではリポ多糖による活性化誘導も低下しており、低下は喘息悪化の重症度と相関していた。これらの結果は、喘息における感染感受性について、これまで知られていなかった機構を明らかにしたもので、喘息憎悪の防止やその治療に対する新しい取り組み方を示唆するものである。