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癌:グリオーマでの腫瘍抑制因子PTENの機能喪失はB7-H1の発現と免疫耐性を増加させる

Nature Medicine 13, 1 doi: 10.1038/nm1517

癌の免疫耐性と免疫回避は腫瘍の進行に重要な役割を担っていると考えられており、免疫療法の障害となっている。免疫抑制タンパク質B7-H1(B7 homolog 1)は、PD-L1(programmed death ligand-1)としても知られ、癌を含む多くの病気でその発現が増加する。本論文では、ヒトのグリオーマではPTEN(phosphatase and tensin homolog)の喪失とPI(3)K(ホスファチジルイノシトール-3-OHキナーゼ)経路の活性化後に、B7-H1をコードする遺伝子の発現が転写後調節により増加することを示す。多形性膠芽腫(GBM)患者由来の腫瘍標品では、B7-H1タンパク質の量とPTENの喪失との間に相関関係が認められた。また、腫瘍特異的T細胞は、野生型PTENを発現するヒト・グリオーマ細胞を、変異型PTENを発現する細胞よりも効率よく傷害した。これらのデータは、腫瘍抑制因子PTENの喪失と免疫耐性を結びつける今まで知られていなかった機構を突き止めたもので、この機構は部分的にはB7-H1によって仲介されている。

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