Article HIV:さまざまなHIVタンパク質に対するCD8+T細胞応答と血中ウイルス量の間の関係には一致性がみられない 2007年1月5日 Nature Medicine 13, 1 doi: 10.1038/nm1520 慢性的・持続的なウイルス感染のためのT細胞ワクチンの抗原の選択は、今までは主に経験にもとづいていた。ヒト病原性ウイルスについて、細胞免疫応答の特異性とウイルス制御の間の関係を集団レベルで明らかにするために、我々は南アフリカのクワズール・ナタール州の578人の未治療HIV感染者で、160の主要なCD8+T細胞応答の包括的解析をおこなった。対象としたHIVタンパク質のうち、Gag特異的応答のみが血中ウイルス量の低下と関連づけられた。Env特異的応答および補助タンパク質/調節タンパク質特異的な応答はより高い血中ウイルス量と関連していた。Gag特異的応答の幅の広がりは低い血中ウイルス量と関連し、Env特異的応答の幅の広がりは高い血中ウイルス量と関連していた。特異的なCD8+T細胞応答と低い血中ウイルス量との結びつきはHLAのタイプに依存せず、エピトープ配列の保存とも無関係であった。これらの集団レベルのデータは、慢性的HIV感染では実効性のある免疫応答と、明白な生物学的効果を持たない応答の両方が存在することを示唆しており、HIVワクチンの設計および評価にかかわってくる。 Full text PDF 目次へ戻る