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肥満:食欲抑制作用をもつエストロゲンの働きは、肥満動物のメラノコルチン細胞およびStat3シグナル伝達の再編成に対するレプチンの影響とよく似ている

Nature Medicine 13, 1 doi: 10.1038/nm1525

レプチンなどの代謝ホルモンは、視床下部回路への入力機構を変更し、プロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロンの活動を促進して摂食量減少および脂肪蓄積を惹起する。性腺ステロイドであるエストラジオールも、食欲と脂肪蓄積の低減が可能であり、シナプスの可塑性に影響を与える。本論文では、エストラジオール(E2)が野生型ラットおよびマウスの弓状核POMCニューロンに対する興奮性の入力数の大幅な増加を引き起こすことを報告する。弓状核におけるこのシナプス再編成は、レプチン欠損(ob/ob)マウスおよびレプチン受容体欠損(db/db)マウスでも起こることからレプチンには非依存的であり、これと平行してエネルギー消費の増大だけでなく、摂食量と体重増加の低減がみられる。しかし、エストロゲンに誘発される体重減少は、脳内のStat3の活性化に依存した。これらの知見は、弓状核摂食回路のシナプス可塑性が体重調節に本来備わっている要素であるという考えを支持するものであり、レプチン受容体シグナル伝達が障害されている場合に脂肪蓄積を低減させるための代替法を示している。

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