Editorial ダフ屋が出る? - 科学者が専門職についている間に20本の論文しか発表できないとしたら、どうなるだろう? 2007年10月5日 Nature Medicine 13, 10 doi: 10.1038/nm1007-1121 科学論文の出版に関しては不満を抱いている研究者は少なくない。注目度の高いジャーナルは敷居が高い、出版に費用がかかり過ぎる等々の理由でオープンアクセスを提唱する向きも多いが、それには論文の数が多すぎる。ジャーナルの数が多いのは研究分野の爆発的広がりも一因で、各専門分野はそれぞれ専門誌を必要とするのだ。そこで、科学者が研究生活を通じて発表できる論文の数を制限しようという大胆なアイデアが出てきた。研究職への着任に際して20枚のチケットが渡され、論文を発表するごとに1枚を使うというのである。当然のことながら発表される論文の数は減り、大作が多くなる。そして専門誌の多くは消滅し、研究者の評価は容易になるだろう。だが、協力研究などをめぐって、新種のダフ屋まで出てくるかもしれない。現状に不満な人たちは、このアイデアに賛成するだろうか。 Full text PDF 目次へ戻る